貴重な資料を購入しました。
明治維新からの日本のキリスト教会の歴史が克明に記されている『植村正久と其の時代』全八巻もの。初版は昭和13年で、復刻再販が昭和51年で、私が購入したのは復刻再販の方です。
巻末を見ると、当時は全巻で62000円で売られていたことがわかりました。めっちゃ高い。今で言うと10万円くらいかな?
それで、少しだけ一巻目の初めの方を読んでみましたが、なんと天平8年の景教について触れられていたのです。景教はネストリウス派で、この本が出版された頃までは異端とされていた宗派でした。でも近年の研究では、ネストリウス自身はイエスの神性を否定しているわけではなく、マリアのことを神の母ということに対して違和感を持ち、キリストの母としたということです。
それは、マリアについて必要以上の神聖化が起こり、キリストが肉体を取ってこられた仲介者たる職制が薄まることを警戒したからであったのです。
事実、現在のローマ・カトリック教会はマリア崇敬があり、神と人との仲介役のようになっています。そうなると、人のかたちを取ってへりくだられたキリストは仲介者ではなく、最後の審判の絵画にあるようなさばき主となってしまいます。
まあ、そんなわけで今は景教つまりネストリウス派は、アレクサンドリア学派の正当なキリスト教であり、そこから、この『植村正久と其の時代』は始まっていると言うことです。
とにかく、ぼつぼつ読んでいきたいと思います。