先日見学した北海道開拓の村の施設を一つ、ご紹介します。
浦臼町にあった、田村家で運営していた蚕から糸をつくる工場です。
映画「あゝ野麦峠」でも蚕種製作所、また製糸工場は知られていると思います。
先日、BSで朝ドラで有名な「おしん」を観ていたら、おしんには姉がいて製糸工場で働いていたということでした。しかし、肺病を患い死んでいきます。小作農家に生まれた、当時の女性たちの大変な境遇を垣間見ました。
そういうことがあって、そう言えば開拓の村には、蚕種製作所があったなと思い、あえてここを目当てに見学することにしたのです。
古い木造建造物ですが、中世とまでいかず近世から近代にかけての建物なだけに、私の子どもの頃を彷彿とさせる懐かしさを感じるのです。
長い廊下によって、各部屋へ行くことができます。
蚕を育てる棚なのでしょうか。
これが、恐らく女工さんたちの部屋でしょう。粗末で雑多な感じで、当時の雇い人の身分の低さを知ることができます。ここで毎日暮らしたいたのかと思うと、今の時代で良くなっている就労関係には感謝すべきだなと思いました。
まあ、問題はありますけど。
見学していると、柱に穴が開けられてるのを見つけました。恐らくアカゲラなどのキツツキのせいだと思います。
建物の地際を見ると、木材が腐食しているのがわかりました。
ネズミなどにもやられている可能性があります。
外壁の板も割れてきています。
ところどころは、このようにトタンを貼ってこれ以上ぼろぼろにならないよう補強されています。
見学の後半は、建造物の管理の必要性を思わされました。
北海道開拓の村には多くの歴史的建造物が移築され、また再現されています。その保存維持のための北海道予算は限られています。開拓の村のスタッフの方々もほぼボランティアです。
沢山ある建造物の保護、メンテナンスが行き届いていないのが現状です。
ぜひ、このブログを読んでくださった方々で、関心のある方は一度、北海道開拓の村へお越しください。まずは、来ていただいて、見学者が増やされることが大事です。それから、開拓の村を維持するための募金活動も行なっておりますので、それに賛同いただき、一口でもご協力いただければなあと思っております。