のりさんのブログ

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◎裁判傍聴:2019年8月26日

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傍聴した裁判は二つ。

 


⑴804号法廷、暴行・窃盗の容疑で69歳男性の初公判。2名の警察官に付き添われ、法廷では手錠と腰縄が解かれて着席。スーパーでレジを通さずに寿司と焼酎とトマトを万引き。警備員に見つかり取り押さえられる中で抵抗して警備員を噛むなどして暴行を働いた罪。

 


前科15犯で、前回出所したのが平成29年2月だそうで、毎回心から反省しているのに、突然、どうなってもいいという思いになって盗んでしまうとのこと。ただ、今回の犯行では、犯行現場(札幌市内のスーパーマーケット)で取り押さえられている中、警備員の女性の首などを噛んだという暴行容疑も合わせられて、検察から懲役3年6ヶ月の求刑がなされました。判決は9月12日9:50〜です。

  自暴自棄になると衝動を抑えられなくなる。だからまた同じことを繰り返してしまうのです。おそらく、このまま実刑判決が下り、この人が出所するときはもう70歳を越えます。身寄りもなく、また同じような生活環境の中に戻るのは、誰もが予想できることではないでしょうか。

 


⑵もう一件は、709号法廷の札幌市内で起きた二件の強制わいせつ事件の初公判。手稲区の路上で、いずれも20代の女性の背後から自転車で近づき、胸を掴むなどの強制わいせつの罪。被告は41歳の男性で、すでに保釈金250万円が支払われているため、前出の69歳の被告と大違い。警官も刑務官もおらず、自宅からの出廷でした。

 


  検察官の冒頭陳述、起訴状を素直に認めているとのこと。その背景には旭川に住む父親と、癌を患って体調を崩している母親による、今後の監督責任を負うとの確約があってのこと。しかし、弁護士や検察官からも今後、被告が再犯しないために、監督責任を負う者として、具体的に何ができるのかという質問には、息子を信じるだけだと言う回答でした。たしかに今までよりは、旭川から電話を多めにするという努力はありますが、これまでも息子を信用している中で起こっている事案なだけに、父親の言葉には何の説得力もありませんでした。

 


  2名の被害に遭われた20代の女性の気持ちを考えると、被告側の主張や弁明には、反省や謝罪よりも示談して、被告自身の社会復帰を先に考えているような印象を受け、今後の公判でどのような追求があるのか気になるところです。

 


  保釈金を支払ったのは被告の父親。また、被害者のためにそれぞれ50万円を準備したのも父親。息子のした犯罪を軽く考えているのか、父親としてどのような姿勢で臨むべきか考えさせられます。被害に遭われた女性に対して父親が用意した謝罪としての50万円が、息子にとってどんな重みがあり、今後の更生の役に立つのか、それとも逆にかえって楽をさせているだけではないのか。

 


アムノンとタマル、そしてアブシャロムの事件での父ダビデの姿を思い出します。