のりさんのブログ

時々、色々とアップしてます。

◎ 地方史から全体史を捉える。

f:id:kinokunizaka66:20190419065814j:image

 


  例えば日本が自由民権運動まっさかりの時代にあっても北海道ではそうでもなく、本州で逮捕され北海道の集治監に入れられた民権運動者が教誨師を通してキリスト教に出会うことが多くみられました。また同時代には札幌農学校に優秀な学生キリスト者がいましたが自由民権運動に関わろうとする者がほとんどいなかったことなどを見ると、北海道独特の気質なのか、地域性なのか、確かに開拓真っ最中なのでそれどころではなかったのかも知れません。しかし開拓時代にあって中央とは違う新しい文化への順応だけでなく、逆に中央に影響を与えるような動きを垣間見るのです。

 


  日本にキリスト教自由主義神学が入ったころ、同志社を中心とした組合教会が影響を受けましたが、北海道はその影響を受けずに、逆に北海道の集治監の教誨師として、十数名の同志社卒業生が招聘されたことにより、自由主義神学ではなく、聖公会メソジスト教会との連携によって多くの受刑者や刑務官に福音が伝えられています。

 


  北海道ならではの宣教スタイルの中に取り込まれた同志社の卒業生たちが、新神学ではなく福音宣教に情熱を燃やすようになったことがうかがえるのです。まだまだ裏付けのための歴史分析が必要ではありますが、そう見えてくると益々、このような歴史神学の学びを通して大きな励ましを受けるのです。